ストリートの空気をまとう最新作
PROJECT FOUR
text:菊地 亮

ブランドを語るうえで、スポーツフィールドの枠を超えあらゆるシーンと良好な関係を築いてきた背景は見過ごせません。とりわけ、カルチャーの源泉ともいえるストリートシーンにおいて強烈な輝きを放ってきました。その自由さと感性は、先ごろ発表されたアディダスウォッチの大定番シリーズにして新作となる第四弾からも存分に感じられます。 

これまでに受け継がれてきたレガシーへ敬意を示しつつ、ファッションのフィルターを通しプロダクトを提案するアディダスオリジナルス。2001年の誕生以降、ストリートシーンでの存在感は日に日に増すばかりです。そんな中、2006年に誕生したのが腕時計ラインで、“顔”ともいえる存在こそPROJECTシリーズ。その4作目となる最新モデルがこちらです。
ホワイトはロゴの各パーツを5色のカラフルなラインで彩り、手元に爽やかな風とさりげないアクセントをもたらしてくれます。
ブラックはインデックスや3針に足並みを揃えたホワイトカラーを採用し洗練さによ り磨きがかかった印象です。
きれい、クリーン、爽やか、軽やか…。
白をいつもの着こなしに招き入れることで得られる嬉しさは想像以上。たとえ腕時計だとしても変わらず、むしろあざとさを感じさせず自然に装えます。強い色の筆頭ともいえる黒に柔らかさをもたらすのに効果的で、ワントーンにスパイシーな小 物を加える時にもアクの強さを抑える役として活躍してくれます。
日常をフォローする最低限の機能&デザインに留めたことが、アクセサリー感覚で向き合える大きな理由。黒の一本が頼もしく思えるのは、小気味いい配色や主張の強い色が軸の着こなしに程よいエッジを効かせてくれるところです。手元へ添えた引き締めは、カラフルな着こなしをよりファッショナブルに、より大人っぽく見せるいい手立てとなり得ます。 
今回の新作は、機能性以上に何者にも縛られない自由さと、あらゆるスタイルに溶け込みそうな万能さに溢れています。あらゆる垣根を飛び越えるブランドならではのマインドは、この一本からもヒシヒシと感じられるでしょう。